スタッフ日誌

電気使用量の比較実験

昨年の12月に佐藤ホームの2棟のモデルハウスを使ってとある実験をしました。

『2つのモデルハウスの暖房をつけっぱなしにして、どれくらい電気使用量に差がでるのか?』というものです。

低燃費住宅の「冬は暖かい」と「低燃費である(光熱費が安くなる)」というのを目に見える形にしようと思って行った実験です。

実験の結果がとてもわかりやすい形で出てきたのでご紹介したいと思います。

 

実験方法ですが、

  1. 2つのモデルハウスのエアコンをそれぞれ1台ずつ、設定温度21℃の暖房設定でつけっぱなしにする
  2. それぞれの1階のリビングに温度計を設置し、室温を24時間記録する
  3. それぞれのモデルハウスの使用電力を東京電力のWEBサービスを使って記録する

という、手順が3つだけの単純な実験です。

 

エアコンの設定温度ですが、低燃費住宅モデルハウスで暖房をつけてて暑すぎない温度を社内で検討して21℃に決定しました。

ちなみに環境省が冬期の地球温暖化対策のひとつとして推奨する「ウォームビズ」の暖房の設定温度は20℃のようです。

 

では、実験結果をグラフにしましたので、確認してみましょう。

ナチュラルスタイルモデルハウスの室温のグラフです。

こちらは1階リビングにあるエアコンをつけていました。

設定温度の21℃とほぼ同じ室温を保っているのがわかると思います。

一方で低燃費住宅モデルハウスは1階のエアコンを使う予定でしたが11月の下旬頃に故障したため、仕方なく2階のエアコンを使いました。

ですが、2階から吹抜けを通って暖かい空気が1階まで行きわたり、設定温度の21℃を上回る結果になりました。

 

さて、気になる電気の使用量は?

低燃費住宅モデルハウス 2016年12月の電気使用量 : 307 [kWh] (昼間電力:147kWh、深夜電力160kWh)
(東京電力のスマートライフプランで約6,500円相当)

ナチュラルスタイルモデルハウス 2016年12月の電気使用量 : 521 [kWh] (昼間電力:317kWh、深夜電力204kWh)
(東京電力のスマートライフプランで約11,600円相当)

 

いかがでしょうか?かなり明白に結果がでてきました。

ナチュラルスタイルモデルハウスの気密性や断熱性などの性能が決して悪いわけではありません。

では、なぜエアコンの設定温度は同じなのに電気使用量にこんなに差が出たのでしょうか?

 

低燃費住宅では夏は日射を遮蔽し(日射遮蔽)、冬は日射を最大限に取り入れる(日射取得)設計を行います。

さらに高気密高断熱のおかげで昼間に取り入れた熱を逃がさないので、エアコン1台でも冬は暖かく、暖房コストも抑えられるのです。

簡単には説明しましたが、日射遮蔽・日射取得についてはまた別の機会に詳しくご紹介したいと思います。